青がきこえる

ブルースの底なし沼へようこそ

ブルースマンの指輪はゴツイんだ。ROTHCOのカレッジリングがオススメ!

ブルースマンの写真を見ていると、結構ゴツイ指輪をしている人が多い。

 

例えば。。。

 


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バディガイ

 


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アルバートコリンズ

 


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マジックサム

 

ブルースマンのギターを弾く手は指輪で彩られている。(ことが多い)

しかも結構ボリューミーでゴツイ。

 

影響を受けやすい(=超ミーハー)な僕も指輪をしています。

 


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ROTHCOのカレッジリング。

 

これくらいボリュームあったほうがやっぱり指輪をする意味があるかなと。

 

彫刻も綺麗に入っていて光にあたるとキラキラ光って映える。

 

ブルースマンっぽくジャケットを羽織ってカチッとした服装によく合う。

 

ただし。。。指輪自体に重量があるのでフィンガーピッキングが少しやりにくくなる笑

 

文章:菅原翔一

22歳がブルースにのめり込むまでのお話。(準備段階編)

当たり前ではあるけど人の数だけそれぞれのルーツがあるもので。

よく知り合った人にブルースにのめり込むようになった経緯について聞かれるので今日はそれを記事にしようと思う。

 

 

もともとは生粋のパンクっ子だった

何を隠そうもともとは根っからのパンクっ子だった。

大学の4年間はとにかくパンク一辺倒だった。

軽音楽部に所属していたのだが・・・

周りの部員が速弾きなどでテクニカルなプレイをしようと一生懸命練習している中、ひたすらパワーコードをかき鳴らしていた笑

 

Sex PistolsThe ClashRAMONESなどを聴くとあのときのことを思い出すなぁ。

(パンクは今でも好きです)

 

服装もまぁパンクだよね。

黒のスキニーパンツにセディショナリーズのTシャツ、レザージャケット。

バムフラップもつけたりしてたなぁ。

靴はドクターマーチンの10ホールもしくはジョージコックスのラバーソール。

 

毎日、そんな格好で大学に通っていたのでありました。

 

わりかし聴くのはなんでも聴いていた

そんなパンクな僕でしたが、わりかし何でも聴くのは好きだった。

1つ上の先輩でコアな音楽ファンがいていろいろ教えてくれた。

とりあえずこれを聴いておけー!みたいな感じで音楽ファイルがたっぷり詰まったUSBを渡されて、それを聴きまくった。

つまりアナログの前はパソコンで音楽を聴いていたのです。

 

今思うとザ・ブルース!という感じではないけれどなんとなくブルースを感じさせてくれるシンプルなバンドが好きだったのだと思う。

 

そのうちにレコード聴く環境を手に入れ、レコードを買いあさる。

ジャケットがお洒落という理由でT-BONEのレコードをレコード市で買う。

それが僕にとって初めてのリアルブルースだった。

お洒落だなぁーと思ったがあまりのめり込まなかった。

 

何故なら生粋のパンクっ子だったからである!

 

"ブルース"より前に"ブルースギター"と出会う

そんな感じで音楽を聴いているところにブルース野郎と出会うことになる訳です。

それが先日ブログでも紹介したなにわのジミヘンドリックスことひさのぺりっくすことふーちゃん。

これが泥臭いブルースギターとの出会いな訳で、かなり衝撃を受けた。

ブルースっぽい音楽のお蔭で下地ができていたのだろう。

すんなりと好きになった。

彼から12小節のブルースのバッキングの弾き方を教えてもらってひたすらそれを弾いていたなぁ。

 

"ユウカダン、シラナイノ?"

当時、講義を受けていた白人の先生がギターが好きな人らしく、音楽の話をしたことがあった。

どんな音楽が好きか聴いたら「ユウカダン」。

「じゃぱにーずべぇんど?」

「いえーす、ユウカダン、シラナイノ?」

「のーあいどーん。」

ニホンニハジメテブルースヲモッテキタヤツラ

「おーあいしー。」

 

それが憂歌団との出会いだった。

(日本に始めてブルースを持ってきたのは憂歌団ではないので一応書いておく)

 

その1週間後くらいにふーちゃんが弾き語りで歌っていた曲に衝撃を受ける。

それが憂歌団嫌んなった、である。

今思うとタイムリーだったよね。

 

すぐに京都の中古レコード屋憂歌団の1stを買って聴きまくった。

ただブルースを聴くというより、やっぱり憂歌団を聴くという感覚だった。

 

ただなんとなく「僕はブルースっぽい音楽が好きやなぁ」という感覚が形成されていった。

これが今思うとブルースの泥沼につかる準備期間だったのである。

 

このときやめておけば確実にもっと全うな人生を歩んでいたと思う(笑)

 

ということで次回は泥沼編

一気にパンクっ子はブルースの泥沼に落ちるのです。。。

 

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【ライブレポ】映画の後に登場人物が飛び出してきた シーナ&ロケッツ40周年アニバーサリーツアー11/21(火)京都拾得

mojomanta.hatenablog.com

前回の記事の続き。

今回は終演後の様子をお届けしたい。

 

 

 

映画を見終わった後の虚脱感

ライブが終わった後、何をすることをもできなくてただボケーッと突っ立ってしまう。

青色の照明を受けて鮎川さんのブラックビューティも青色に見えたのをただボケーっと眺めていた。

 

映画に散々引き込まれた後に、エンドロールが終わった後もその映画の世界にまだ浸っていたくて何もできなくなるのと調度同じ感覚だ。

 

何人かのお客さんがセットリストをもらいにステージに群がる。

(ギターテックの方に皆さんキチンと了承をもらっておられました。ヒジョーに礼儀正ししくて気持ちがよかった)

それが僕には映画が終わって観客席から離れる観衆に見えた。

 

僕はこの映画館からまだ出れそうにない。(というか出たくない笑)

 

相変わらずボケーっと立っているとギターテックの方がセットリストをくれた笑

さすがに現実に戻らないといけない。

僕はシーナ&ロケッツという映画が上映された映画館から出ることにした。

 

さて、念願の鮎川さんへご挨拶だ!

 

映画の登場人物が目の前に

とりあえずマネージャーさんを通して連絡させて頂いたのでマネージャーさんを探す。

セトリをくださった親切なギターテックさんに「マネージャーの方はどなたですか?」と聞く。

「グレーのパーカーを着た人だよ!」

笑顔で答えてくれた。

 

さて何処だろうと探す。

すると会場内にいる人がこちらを見ている。

???

後ろを振り返るとなんと鮎川さん!

ニコニコと笑っている。

超至近距離。

 

さっき観ていた映画の登場人物がそのままスクリーンから抜けて出てきたような感覚になった。

俳優ではない。登場人物そのものだ。

 

「鮎川さん!!」

反射神経的に小さく叫んでしまう。

 

そんな僕に

「ずっと聴いとってくれたよね。ありがとう。」

と言ってくれた。

ニコニコ笑顔。

めちゃくちゃかっこいい。

 

まさかこれを持ってきてくれてるとは!

 

今だ!と思いカバンからLPを取り出す。

「サインください!」

「まさかこれを持ってきてくれてるとは!」

鮎川さんの少し驚いた表情が見れた。

 

僕が渡したLPはピンナップベイビーブルース。

鮎川さんがアンコールで最高に気合いの入ったテンションで演奏してくれたサティスファクションが収録されているアルバム。

 

実はA&MからリリースされたシナロケのUS盤にサインをもらおうともっていこうと思っていたのだが・・・何故だか見つからなかった。

探しているときにピンナップベイビーブルースがふと目にとまった。

何だかレコードが「連れてって!」と言っているような気がしたのでこれを持っていくことにしたのだ。

 

前回のレポートでも書いたのだが鮎川さんはSatisfactionを演奏する前に

「ピンナップベイビーブルースっちアルバムに入っている・・・」

とMCで言ってくれた。

これに物凄い運命的なものを感じて鳥肌が止まらなくなった。

鮎川さんが少し驚いた表情を見せてくれたのも同じ思いからだったのだろうか。

 

鮎川さんが嬉しそうにマジックで自分の名前をLPに滑らせる。

ずっと聴いてきたレコードのジャケットに、その盤の螺旋状に刻まれている音を鳴らした本人の直筆の文字が書かれる。

なんとも不思議な気持ちだ。

そして素直にとても嬉しい。

 

鮎川さんが書き終わった後に後ろにいた奈良さんと川嶋さんにレコード盤を手渡そうとする。(2人にもサインを書いてもらうため)

 

シーナの分も書いて!

 

「シーナさんの分も書いてくださいっ!」

また更にお願いしてしまった。

 

シーナ&ロケッツは"4人"でシーナ&ロケッツ。

なのでどうしてもライブで熱い音を鳴らしていた"4人"全員のサインが欲しかった。

 

鮎川さんの顔がとても嬉しそうな顔になった。

「書く!うんとソックリに書くね!」

鮎川さんが書いてくれたシーナのサインはシーナのサイン、そのものだった。


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この4人のサインが入ったLPは僕の宝物。

(このLPはライブ後、丸1週間僕のターンテーブルに乗り続けた。そして何回も何回もひっくり返された。)

 

若い人の感性でやればいい!

 

サインをもらった後に鮎川さんにどうしても言いたかったことを伝える。

「僕はもっとたくさんの人にブルースを伝えたいんです!日暮さんみたいな仕事はできんかもしれんけど僕はどうしてもやりたい!」

 

「若い人がそげん風に思ってくれるなんて嬉しかばい!是非ともやって欲しい!若い人の感性で、若い人の感じたブルースを、若い人のやり方でやればいいんよ!」

なんとも温かいアドバイス、そして本質的な答えを頂いた。

 

煙草をふかす鮎川さん。

それだけでも絵になるし、なんとなく涙がでてきそうになった。

ひとつひとつの仕草に映画のような物語がそれぞれつまっているような気がした。

 

奈良さんと川嶋さん

ライブで物凄いグルーブを作っていた奈良さんと川嶋さんのことも書かずにはいられない。

ステージから降りてもこの2人はかっこよかった。

会場の隅っこでビールを注ぎ合って2人で乾杯していたシーンが忘れられない。

映画のワンシーンを見ているようだった。

 

「物凄いリズムでした!」と伝えると

「リズム隊冥利に尽きるねぇ!」と笑って話してくれた。

 

激しいビートが柔らかい人間性から生まれている。

この事実が何だか嬉しかった。

 

総評

シーナ&ロケッツはシーナが亡くなっても"4人"のバンドだと確信した。

この4人がつくりだすビートはブルース、そしてブルースへの愛そのものだ。

 

今回のライブでも演奏されたシーナとの最後の18枚目のアルバムの表題にもなったRokket Rideが頭に今鳴り響いている。

 

When forever ends There'll be you and me

(永遠が終わっても君と僕はずっと一緒だよ)

 

After all eternity There'll be you and me

(全ての永遠が終わっても君と僕はずっと一緒だよ)

 

When the world explodes When the stars collide

(世界が爆発しても 星がぶつかっても)

 

I'll be here by your side, To take you on a rokket ride

(僕はずっと君の側にいて 君をロケットライドで迎えにいくよ)

 

鮎川さんの使い込まれてボロボロになったレスポールカスタム。

このギターを通して毎日鮎川さんはシーナを迎えにいっているのだ。

これからもずっと。

 

文章:菅原翔一

 

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現在進行形のブルースを追い求める。

このシンプルなコンセプトにたどり着いたのがアクセスアップの要因だと思います。

 

ブログを運営されている、もしくは運営してみたい方はコンセプトが超大事です。

是非ともここはじっくり考えてみてください。

 

いつもブログを読んでいる読者の方に心からの感謝を。

ありがとうございます。

 

ブルースは僕が何もしなくてもずっと続いていく音楽だと僕は思います。

しかし、個人的にブルースの側にいたい。

それだけの思いで僕はブログを書いています。

 

文章:菅原翔一

 

 

ブラジルのギャング映画「シティオブゴッド」が超良かった!

最近、あまり良い映画に出会えていないなーと思ったので、友達にLINE。

こういう映画マンネリ期間(?)は人におすすめを聞くのが一番良いという今までの経験則だ。

 

友人「シティオブゴッドみといたら?」

 

なんかB級っぽい感じするなーと思いながらゲオでレンタルしてきた。

 

 

シティ・オブ・ゴッド DTSスペシャルエディション (初回限定2枚組) [DVD]

シティ・オブ・ゴッド DTSスペシャルエディション (初回限定2枚組) [DVD]

 

 

 

本作品はブラジル産のギャング映画である。

 

舞台は1960年代~1980年代のリオデジャネイロのヤバいスラム地域。

麻薬密売、強盗、殺人がまかりとおる惨憺たる地域。

 

そんな中でジャーナリストを志す少年から見た暴力の負の連鎖。

憎しみは憎しみを生んで天一のラーメンスープのようなドロドロになっていく。

 

約20年間のストーリーなのだが緩急のつけかたが音楽を聴いているようで長さを感じさせない。

 

サントラもなかなかいい感じ!

ブルースのブログとしてはJBのセックスマシーンもフィーチャーされていたということを書いておきたい。

(かかるタイミングが絶妙なんですよねー)

【ライブ情報】なにわのジミヘン、ひさのぺりっくすワンマンライブ 12/15(土)@大阪日本橋太陽と月


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ひさのぺりっくすというミュージシャンが大阪にいる。

ジミヘンの生き写しばりのエキセントリックなギターを弾き、ソウルフルにそして時にはゆるーく歌う凄い奴。

 

ギター1本を手に(しかも現地調達)メキシコを流浪する生粋のランブリングマン。

 

そんな彼が12月15日(土)に大阪の日本橋にある太陽と月というバーでワンマンライブを行う。

 

チケット代2000円+ドリンク代500円の価値は十分にあると思う!

現在進行形の若手のブルースを目撃せよ!

 

文章:菅原翔一

 

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【ライブレポ】シーナ&ロケッツの"4人"がつくり出すビートはブルースだった。シーナ&ロケッツ40周年アニバーサリーツアー11/21(火)@京都拾得

 

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11/21(火)にシーナ&ロケッツ40周年アニバーサリーツアーを観に京都の拾得(じっとく)まで行ってきた。

いち早くこの感動を伝えたいのだが、その前にこのライブには個人的なストーリーがある。

ライブ前に鮎川さんにメールを出す

ブルースを伝えたい!

これは僕の人生の大きな使命のひとつである。

こんなことを話すといろんな人に笑われるのだが、僕は本気でそう思っている。

理由は説明できないし、やりたいことにイチイチ説明付けなんかしていたらキリがない。

 

どうすればブルースをもっといろんな人に聴いてもらえるだろうか・・・?

ある日、ふと思いついた。

ブルースを愛するすっげー人ですっげーブルースを現在進行形で演っている人に会いにいこう!!

 

ブルースを愛するすっげー人、思い浮かんだのは鮎川誠だった。

その直後にすぐにメールを打った。

 

長々といろんなことを書いたのだが要約すると・・・

ブルースがめちゃくちゃ好きでたまりません!会ってください!

送信ボタンをクリックした後に思った。

俺ってめちゃくちゃアホやん!笑

果たしてこのアホさで返事は果たしてくるのだろうか・・・。

 

それが来たのである笑

 

鮎川さんのマネージャーさんから届いたメールには

「あなたの熱意は分かりました。鮎川にそのまま必ず伝えます。40周年アニバーサリーがあるのでご都合が合いましたら是非とも遊びにきてください。そこで挨拶して頂ければと思います。」

というような内容が記されていた。

 

これを読んでいるときのアドレナリンの分泌量たるや。

後先考えずに「行きます」と返事。

 

開演まで

当日は18時30分開場だったのが、16時30分に拾得に到着。

ライブハウスのスタッフさんに「はやいっすねーw」と言われる。

それはそうですね笑

リハーサルが始まる。

いつもレコードで聴いていたあの音に本番への期待が否応なしに高まる。

開場近くになるとお客さんが列をなす。

革ジャン率の高さ!

 

開演までの30分間の長いことといったら!

 

開演!

開演の19時。

SEの音量が一瞬グッとあがり、それから下がっていく。

照明が落ちる。

シーナ&ロケッツの出演の演出である、飛行機の着陸の無線SE。

自分の心臓の音が聞こえる。

 

ドラムの川嶋さん、ベースの奈良さんが2Fの怪談から降りてくる。

それに続いて鮎川さん!!

 

隣にいた女性ファンに「本物ですよね!?」って聞いてしまう笑

「うん!!本物!!」

 

ゆっくり階段から降りてくる。

煙草をふかしながら。

 

ちょうど僕が立っているところからギターを受け取りながらステージにあがる。

「鮎川さん!!」鮎川さんが着ていた革ジャンに思わずタッチ。

「ハァーイ♪」

ニコッと笑ってサングラス越しに優しい目をみた。

今日のライブが素晴らしい時間になることをこの一瞬で確信した。

 

鮎川さんのギターのブラッシングのカウントからBATMAN

シーナ&ロケッツの入場テーマ曲ともいえる曲でアドレナリンが体中をかけめぐる。

 

鮎川さんはブラックのスリムフィットのパンツを履いて、ブラックのシャツに革ジャンにピカピカに磨かれたチェルシーブーツという出で立ち。

弾きこんで塗装は剥げてボロボロになったレスポールカスタム。

そしてくわえ煙草。

口から時折吐き出される紫煙の形。

それが空気中にとけてなくなる。

まるで映画を見ているような感覚になった。

 

Get it on Babyに続いてI'M FLASH

鮎川さんボーカルの看板曲とも言える曲。

当たり前ではあるがでてくるサウンドが本物で感動。

 

聴けば聴くほどバンドのサウンドに引き込まれていく。

映画の世界観に引き込まれ、映画の中に没入してしまう感覚と全く同じ。

 

クールな出で立ちの鮎川さんだが、プレーは真逆で常に全力投球。

手加減は一切なしだ。

そこには71歳の老人の姿は一切なく、生まれて71年間若者をやっている人間の姿があった。

体中から汗を吹き出しながら、全力で歌う。

転がり続けてずっと加速していく岩のようだ!

 

熱狂を通りこし、たちつくしてバンドのサウンドにひたすら没入した。

全力でプレイする鮎川さんの額から流れ落ちた汗がピカピカに磨かれたチェルシーブーツに落ちて水玉模様のような形になったのが何故か印象に残っている。

 

ベースの奈良さんと川嶋さんもシーナ&ロケッツの音を伝えるのに外すことはできない。

ベースとドラム。

いわゆるリズム隊はバンドの心臓としてよく例えられる。

 

「イラっとすることを原動力に僕らはロックやるけど、出てくる音はハッピーじゃないといかんけんね」

何かのTV番組で鮎川さんはこう言っていた。

 

この2人が織りなすハッピーなビート(=血液)が鮎川さんに流れ込み、サウンド全体が物凄くハッピーなサウンドになっていた。

 

いつの間にか終盤へ

 

いつのまにか終焉の

LAZY CRAZY BLUES~LEMON TEA~YOU MAY DREAM~I LOVE YOU

の流れ。

 

LAZY CRAZY BLUESではギターソロ後の鮎川さんのブラックビューティーのリードプレオとボーカルの掛け合いが絶妙でたまげる。

まるで2人のボーカリストの音をきいているかのようだった。

 

そしてYOU MAY DREAMの鮎川さんのMC。

「みんな夢を持ってね」

鮎川さんではなくシーナが言っているように僕には聞こえた。

シーナの魂が鮎川さんの唇を借りてそのように言わせたのだと思う。

 

あなたのこと思うと 凄く胸が熱くなるの

いつもはユーウツな雨も サンバのリズムに聞こえる

 

鮎川さん1人で歌っているのだが、そのボーカルの後ろで僕は確かにシーナの歌声も聴いた。

嬉しくて嬉しくて涙が止まらなくなった。

 

時代は確かに夢を持っていますと言うのがなんとなく気恥ずかしい気がする時代だ。

しかし、そんな時代だからこそ夢をもって、希望をもって生きていくのだ。

 

それが私のすてきな夢

それが私のすてきな夢

 

シーナの夢。

それは鮎川さんのギターと一緒にずっとロックをやっていくことだったのに違いない。

体という入れ物はなくなってしまったけど、シーナはまだ夢を叶え続けている。

そして鮎川さんも。

 

2013年の磔磔でまだ元気だったシーナがいたときのライブを思い出した。

ロックに思い切り憧れて、パティスミスのTシャツを着ていた僕にシーナは優しくハグしてくれた。

あのときの嬉しさ。

 

最後にI LOVE YOU。

鮎川さんの横で、お客さんからそして鮎川さんからI LOVE YOUを何回も言われて嬉しそうなシーナの顔が見えた。

人間の愛の深さを見たと言ったら大げさだろうか。

 

「いぇー!みんなありがとう!!」

鮎川さんははにかみながらレスポールを肩からおろし、ゆっくりステージから降りて行った。

 

アンコール

 

拍手が鳴りやまない。

いつのまにか拍手はアンコールを求める手拍子に変わる。

 

アンコールに応えて鮎川さんがもう一度ステージにたつ。

その顔はとても嬉しそうだ。

 

「ありがとう!それじゃ最後に僕たちが呼ぶのも恐れ多いローリングストーンズっていうバンドの中から1曲。僕たちのピンナップベイビーブルースっちアルバムの中に入ってるI Can't Get No Satisfactionっていう曲をやります!」

 

観客みんな大興奮!

I Can't Get No Satisfactionの大合唱。

 

大学時代にロック漬けだった自分に戻ったような気がした。

 

バンドのリズムにしっかりと乗せるように弾くギターは正しくブルースそのもの。

それも思い切りフレッシュなやつ。

 

やっぱりこの人はブルースマンや!

心の中で僕は叫んだ。

 

これからもずっと4人

 

映画のようにエンドロールが流れていくのが僕には見えた。

エンドロールには

飛びっきりのご機嫌な笑顔でリズムを作り出すドラムの川嶋さんとベースの奈良さん。

その上で思い切り自分の鳴らしたい音を出す鮎川さんの名前。

そして体はなくても歌を歌ってタンバリンを鳴らすシーナの名前、4人の名前がクレジットされていた。

 

シーナが亡くなった直後に鮎川さんは涙を浮かべながら

「俺達はこれからも4人でシーナ&ロケッツを続けていきます」とインタビューで言っていた。

 

今回のライブに行ってみて、それは鮎川さんの意志表明なんかではなく、事実そのものであったと思った。

これからもシーナ&ロケッツはずっと4人だ。

 

後半に続く!

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