遠ざかるロバートジョンソンを追いたいならこの一冊 日暮泰文「ロバート•ジョンスンを読む」
正月休みということでどっぷりと自分の趣味に没頭中。
食べると寝る以外では読書、ギターか音楽を聴くかの三択。
この生活最高である。
(こんな生活を続けているとダメになってしまいそうで少し怖いです)
先ほど読み終えた一冊がこれ。
日暮泰文著の「ロバート•ジョンスンを読む アメリカ南部が生んだブルース超人」
2011年にブルースインターアクションズから出版されている。
クロスロードで悪魔と契約を結び魂と引き換えに超人的なギターテクニックを手にしたとされることでも有名(=クロスロード伝説)
27歳で毒殺されている。
日本のブルースブームの仕掛け人である著者のRLに対する熱い想いと好きだだからこそ客観性を持たせようとする冷静な視点がバランス良くクロスされた名著である。
(それでもごくたまに著者のRLのブルースに対する愛情が文章に現れるのが愛おしくなってしまう)
(奏法はかなり研究されているが)
そこにこの一冊である。
著者はこの本を書くために膨大な文献を参考にしたり実際にミシシッピまで足を運んでいる。
一冊によくこんなに詰め込めるなと感心するくらいの情報量。
玉石混交の情報の中で信憑性が高いものを集め、著者の推理と鋭い感性による想像力によって補完する書き方には頭が下がる。
私が非常に興味深いと思ったものを羅列したい
•RLの出生
•クロスロード伝説とRLの楽曲のクロスロードブルースの関連性
•RLの死に様(てっきりほぼ即死だと思っていたが病院に運ばれ数日は生きていたようだ)
•フードゥとRL
•RLの学力(読み書きができて当時としては高い学力を身につけていた)
またRLと同じ時期に活動していたミュージシャンによるRLへの証言も興味深い。
(証言する人によって意見がかなり食い違っている)
恐ろしいくらいの情報量に裏付けされたRLが残した29曲の楽曲の訳詩&解説も必見。
新しい気持ちでRLの楽曲に触れられることを保証する。
著者も触れているが聴き込めば聴き込むほど遠ざかっていくのがRLの怪しい魅力。
RLの影を追い続ける全てのボブはこの本を読んで是非ともRLに近づこう。
(そう言っている間にもRLはニヒルな笑みを浮かべながら遠ざかっていく)
文章:菅原翔一