青がきこえる

ブルースの底なし沼へようこそ

映画「冷たい熱帯魚」は観る予防接種だ。※針が太いので注意!エログロ!

突然ですがあなたは予防接種を受けたことはあるだろうか?
恐らくほぼ100%の人がYESと答えるだろう。
今更説明する必要もないと思うが予防接種を受けると抗体が体の中にできる。
しかし、予防接種を受けるのに必要なものがある。
それは注射だ。
チクリと痛い。

今回紹介する園子温監督の冷たい熱帯魚も一種の予防接種だ。
観ると抗体ができるのでできれば観ておくべし。
ただし針がめちゃくちゃ太い。
それ故にめちゃくちゃ痛い。


【映画について】
この映画は1993年に実際に起こった埼玉愛犬家連続殺人事件が元になっている。
実際の事件では主な舞台がペットショップであるが、本作では熱帯魚店にアレンジされている。

あまり内容に踏み込むとネタバレになるので詳しくは書かないがあらすじは
さびれた熱帯魚店を営む冴えない主人公がひょんなことから殺人事件に荷担してしまうというもの。

この主人公を殺人に荷担させるのが地元大手の有名熱帯魚店のオーナー。
表はカリスマ性を発揮し、従業員を鼓舞するザ・カリスマ。
しかし裏の顔は冷酷なヤクザ。
自分の利益のためなら平気で人を殺す。
そして証拠隠滅のため死体を解体する(本人はこの行為をボディを透明にすると呼んでいる)

【感想】
非常に恐怖を感じる映画だ。
誰にでも起こりうるから怖さが倍増する。

殺人に荷担する訳ない!
果たしてあなたはそう言い切れるだろうか?

もしあなたの家族に危害を加えると脅されたら?
そして、あなた自身に危害を加えると脅されたら?

この映画を観た人は主人公を自分と置き換えるはずだ。
そして恐怖する。

お化けなんて生易しいもので本当に怖いのは人間だと実感する。

何度も言うが怖い映画だ。
ただし絶対に観ておくべきだ。
自分の中に「疑う」という抗体ができる。

何事においても疑うことが必要だ。
特に綺麗な言葉を使うカリスマを疑う必要がある。

新社会人に必見だ。
ただし、トラウマになっても私は一切責任を負わない!!
この針めちゃくちゃ太いぞ!!

文章:菅原翔一