青がきこえる

ブルースの底なし沼へようこそ

好きなものと共に熱く生きたくなる名著 日暮泰文「のめりこみ音楽企業」

 

のめりこみ音楽起業―孤高のインディペンデント企業、Pヴァイン創業者のメモワール (YOU GOTTA BE Series Extra)

のめりこみ音楽起業―孤高のインディペンデント企業、Pヴァイン創業者のメモワール (YOU GOTTA BE Series Extra)

 

 

「好きなことは仕事ではなくあくまでも趣味にしておけ」

これはいったい誰が言い出したのだろう。

これを言う人は本当に好きなことを職業としたことがあるのだろうか。

 

僕は平凡なサラリーマンだ。 

でも頭の片隅には好きなことを仕事にしたらどんな感じになるのだろうかという考えがどうしてもこびりつく。

恐らく僕以外のたくさんの人も同じことを考えているはずだ。

 

今日、紹介するこの本は自分が大好きでたまらないものを仕事にし、好きなものと共に生きてきた男の書いた本。

男の名前は日暮泰文、本のタイトルは「のめりこみ音楽起業」

当時、超マイナーだったブルース、R&B、ソウルに傾倒して会社まで起こす筋金入りの音楽バカ(失礼!)。

 

日暮は本のなかでこう主張する。

のめりこんだらそれを仕事にしよう、それも自分で生業を起こせ。これが僕のメッセージだ。

 

これはそんな熱い孤高のインディペンデント企業、Pヴァイン創業者のメモワールだ。

 

悪いことはいわない。

疑問符を背負って仕事をしている20代。読め。絶対に。

 

音楽に詳しくなくても大丈夫。

確かにブルースに関する記述は多数ある。

しかし好きなことに情熱をかけてきた著者の熱がきっと伝わってくるはずだ。

 

また本書の秀逸な点は好きなことをどのようにビジネスにしたかということもキチンと書かれていること。

マニアックなカテゴリーであったからこそ少量多品種路線の道を選択したなどP-VINEのとった戦略が多数紹介されている。

 

この本を読んで

好きなことを仕事にする=好きなことを収益化する

ということだと強く感じた。

 

どう収益化するかはその分野それぞれで違うから答えは自分で見つけ出すしかない。

しかし収益化する道は必ずある。

リスナーがほとんどいないブルースをベースにして商業的に成功したのだから間違いない。

 

日暮のブルースへの「好き」という気持ちがなければマジックサムライヴのような名盤も、日本のブルースムーブメントも生まれることはなかっただろう。 

人間の好きなものに向かう力強さを感じてほしい!