青がきこえる

ブルースの底なし沼へようこそ

日本で鳴り響いた最強のブルース Robert Jr Lookwood「BLUES LIVE!」

先日、ジュニアロックウッドのSteady Rollin Manを紹介した。

伝説を乗り越えようとするエネルギーが伝わってくるブルースアルバム Robert Jr Lockwood「Steady Rollin Man」 - 青がきこえる

こちらのアルバムももちろん最高なのだが。。。

改めて聴くと良い意味でも悪い意味でもまとまっているという印象。

 

このアルバムだけでロックウッドの魅力は語れない。

 

なので今日はこのアルバムをご紹介したい。

 

ブルース・ライブ!(フロム・ファースト・ジャパン・ブルース・フェスティバル)

ブルース・ライブ!(フロム・ファースト・ジャパン・ブルース・フェスティバル)

 

 1974年の第一回ブルースフェスティバルのため来日したジュニアロックウッドとエイシズが残した最強の名盤だ。

 

スタジオアルバムでは味わうことのできない温かさがビンビンに伝わってくる。

観客の熱くもあり温かくもある歓声。

遠く離れた異国の地、日本で自分の音を渇望しているブルースファンを目の当たりにしたロックウッドは一体何を思ったのだろうか。

 

ブルースは魂だ!と決まって口に出すブルースファンは多い。

しかし本当にそうなのかと僕は疑問に思う。

 

ブルースは音楽である以上表現のためのものではある。

魂なきものは人の心を打つことはない。

 

しかし、それと同時に、いやそれ以上にブルースマンにとってブルースは生きるための収入源であったということも忘れてはいけない。

実際にジュニアロックウッドも音楽人生の大半がスタジオミュージシャンとしての活動であった。

 

しかし、目の前にいる観客の熱気に向かって放たれるサウンドはなんとも感動的だ。

ロックウッドは本当に嬉しかったんだと思う。

 

生きるためにやってきたブルース。

食うためにやってきたブルース。

 

そのブルースに熱狂する観客。

ロックウッドのギターが唸る。

 

特にロックウッドの弾き語りのMean Black Spiderは感動的。

ロバートジョンソンスタイルのAのブルースのスタイルにロックウッドの感性を加えた音楽は紛れもないロックウッド自身の音楽だ。

 

「ロバートジョンソンの義理の息子」

ロックウッドを紹介する際に引き合いにだされるお決まりフレーズ。

こんなことを言う輩には正座させて大音量でこのアルバムを聴かせたい。

 

もう完全に乗り越えているじゃないか。

 

文章:菅原翔一