青がきこえる

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ホトケ監修!ロバートジョンソンが漫画に! 平本アキラ「俺と悪魔のブルーズ」

 

 

ロバートジョンソン。

ブルースを語る上で決して外せない人物だ。

エリッククラプトンを初めとして彼に魅了されたミュージシャンは非常に多い。

 

何が我々を惹きつけるのだろうか。

音楽性?

もちろんそれも正しい。

しかし音楽性と同じくらい我々、ブルースファンを惹きつけるのは彼の謎に満ちたミステリアスな人生ではないだろうか。

 

悪魔と契約を交わし、魂と引き換えに超絶なギターテクニックを手に入れたという彼の逸話。

それは全くのフィクションであるというのを分かりつつも人々を惹き付ける。

事実、彼は27歳で毒殺された。

 

そんな彼のクロスロード伝説を基にした漫画が平本アキラ俺と悪魔のブルーズだ。

ロバートジョンソンファンならタイトルに思わずニヤリとしてしまうはずだ。

 

この漫画の面白いところはロバートジョンソンの伝記漫画ではないということ。

あくまでロバートジョンソンのクロスロード伝説を基にしたオリジナルストーリー。

なので主人公はロバートジョンソンではなくあくまで「RJ」である。

 

性格も彼のファンが思い浮かべるようなニヒルな笑顔を浮かべた色男(合ってますよね!?)ではなく少々臆病でコミカルなのが少し新鮮である。

 

物語は時代が時代なので黒人へのリンチなど少々重いがところどころにシニカルな笑いがいい感じに入っているのが良い和らぎ水になっている。

 

なによりウェストロードのホトケが監修しているので当時のジュークジョイント(黒人の安酒場)、ブルースマンの服装、楽器などがしっかり書き込まれているので物語に没入できる!

ホトケを監修として迎えた人は偉い!

 

演奏シーンは迫ってくるような迫力がある。

特にスライドのシーン!

これだけでも是非とも実際に見てほしい。

 

定価も666円+税別になっていたりと色々細かい(笑)

現在、休載中とのことだが是非とも最後まで読みたいと思う漫画だ!

 

文章:菅原翔一