ナイフでスライドする人達は何故か歌がうまい?「SLIDE GUITAR BLUES」
ブルースギターを語る上でスライド奏法はかなり重要なウエイトを占める。
スライド奏法を知らない人のために一応説明を(そんなもん知らなくても実生活には全く支障はないですが)
スライド奏法とは、ビンの首を切断したもの、もしくは金属製のバーを指にはめてギターの弦をスライド(擦る)させる奏法である。
独特のサウンドを出せるので、この奏法に魅了される人は大変多い。
ちなみにこのスライド奏法、前述したビンの首、金属製のバーの他でも音さえ鳴ればなんでもOK。
動物の骨を使う人も多いのだが、ポピュラーなスライドアイテムとして挙げられるのがナイフである。
本日紹介するこのSLIDE GUITAR BLUESはナイフでブルースを演奏するスライド名手3人によるコンピレーションアルバムだ。
録音は1934年~1937年。
その3人とは
・オスカーウッズ
・ブラックエイス
・ココモアーノルド
3人とも超がつくスライドの名手だ。
3人とも適度に力が抜けたスライドプレーで聴いていて全然疲れない。
(日本人や白人に多いこれみよがしに大げさなスライドプレーをする人達の演奏は聴いていて疲れてしまう)
また、本アルバムで驚くべき点は3人とも歌も物凄くうまい。
特にココモアーノルドによるB面3曲目のミルクカウブルースの歌は最高だ。
スライドと歌に直接的な因果関係はないのだろうが、やはりスライド奏法での音程は自分の耳頼りになるので耳が鍛え上げられるのであろう。
個人的におすすめな聴き方はボリュームを上げまくり、スライドの残響音に耳を澄ませること!
そうすれば耳だけでも戦前の南部にタイムスリップできるから。