青がきこえる

ブルースの底なし沼へようこそ

柳ジョージに泣いてる・・・・・・ 柳ジョージ「YOKOHAMA」

日の入りが随分早くなった。

季節はいつの間にか移り変わる。

あの猛威を振るった夏の名残はまだ見られるがいつの間にかいなくなるんだろうな。

 

こういう季節の移り変わりは少しセンチメンタルな気持ちになるので、柳ジョージを聴きたくなる。

 

今日紹介するのは柳ジョージ&レイニーウッドの「YOKOHAMA」。

 

 

このアルバムについて

このYOKOHAMAは1979年にバーボンレコードによってリリースされた作品。

2ndアルバムで大ヒットしたWeeping In The Rain(雨に泣いている)の日本語版が収録されているのがLPの帯で推されているが・・・

 

ぶっちゃけこのバージョンあんまりよくない

 

このアルバムの魅力はなんといってもB面だ!

というかB面が良すぎる!

 

B面が名曲揃い!

 

いやA面も悪くないんですよ。

しかしそれを押しのけてしまうくらいB面は名曲揃いだ。

 

まずB面1曲目の港亭から素晴らしい。

歌い出しから

波が荒いね 今日もまた

あと1杯で もう止すよ

酔ったからって ふられた奴が

もどってくるあて あるじゃなし

強がってしまう不器用な男のアンセムだ。

感想の音数の少ない泣きのギターソロが曲に花を添えている。

 

柳ジョージは生前インタビューで

「「自分がだらしないので、歌だけはカッコイイ男の歌を歌ってるんです」

と語っていたがその人柄がよくこの楽曲に現れていると思う。

 

しっとりしたバラードに続くのは静寂を打ち破るかのような「グルービーガール」。

ベースがグイグイひっぱるアップテンポなナンバーだ。

バンドのグルーブに小躍りしてしまうこと間違いなしだ。

 

「へイダーリン」

「チャイニーズクイーン」

本牧綺談」

 

という傑作が続いたあとの締めは「FENCEの向うのアメリカ」。

 

FENCEの向こうのアメリ

 

FENCEの向こうのアメリカとは説明するまでもないが米軍基地のこと。

(昔、湘南の浜で米軍が上陸訓練をしていたらしい)

高いフェンスの向こうは日本ではなくアメリカ。

たくさんの若者が憧れの気持ちを持ってそのフェンスを見上げたのだろう。

柳もその1人だったに違いない。

 

今はもう聞こえない

お袋の下手なBLUESと

俺には高すぎた鉄のFENCE

 

お袋の下手なブルースはもう聞こえない。

しかしレコード、CDを通して聞こえてくるのは紛れもない柳ジョージのブルースだ。

 

文章:菅原翔一