青がきこえる

ブルースの底なし沼へようこそ

有山じゅんじさんとの思い出

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前回のサウストゥサウスの記事を書いていたときにどうしても有山じゅんじさんとお会いしたときのことについて書きたくなりました。
なので書きます。

一応、有山じゅんじさんって誰?っていう方のために簡単なプロフィールを。
(全然知らないよっていう方にこそ聴いて欲しいので)


めちゃくちゃブルースギターの凄い大阪のおっちゃんです。
かっこいい。
以上。


。。。
(身も蓋もないですね)


日本のラグタイム系のギタリストの権威ですね。
ブラインドブレイクにかなり影響されたウェストコースト系のサウンドと自身のカラー(色気のある危うさとでも言っておきましょうか)がミックスされたプレイが魅力。

とりあえず音を聴いてみましょうか。

「俺の借金全部でなんぼや」
上田正樹×有山じゅんじサウンドは鉄壁だと思うのです。
思わず俺の借金全部でなんぼやぁー♪と歌いたくなってしまう。

「さよならだけが人生だ」
三宅伸治の超有名曲のカバー。
三宅さんとの共演です。
曲が始まるまでが長いけど有山さんの素朴な人柄がよく分かるので飛ばさずに見て欲しいです。
最近の動画なので有山さんのサウンドが一音一音クッキリとクリアに出ているサウンドにアップデートされてます。
僕は今のサウンドのほうが深みもあって好きですね(^ω^)

さて前置きが長くなりましたが。。。
こんな凄い有山じゅんじさんに23の若造がお会いした訳です。
今年の10月16日の福井県小浜市の旭座でのライブ後に有難い事にステージの上まで連れていって頂きました。

そのときの有山さんは後片付けをされておりました。

で、オーラがやっぱり凄い。

別にご本人が意識されて出されているのではないしょうが殺気に近いものを感じました。

しかし話してみるとめちゃくちゃ気さくでええおっちゃんでした。

「そのナリはアンタもミュージシャンやなぁ。」
と服装について話してもらえたり
「ステージの上から楽しそうに聴いてたの見とったでぇ。」
(これは本当かは分からないけどやっぱり嬉しかった!)

ブルースを弾く上で一番意識していることはなんですか?と質問したら口笛を吹くようにギターを弾くように意識されているとのこと。
つまり自分の頭の中で鳴っているメロディを口で歌うような短いタイムラグでギターに変換するとのことですね。

これはギターのみならず楽器をアドリブ演奏するときの一番大事な事項なのでしょう。
大きなヒントになりました。
書くのは簡単だけどめちゃくちゃ難しい域です。

有山さんも「俺もやっと最近できるようになってきたわぁ〜」と仰っていました笑
(やっぱりこのおっちゃん好きやわ〜)

一番忘れられないこと。

それは僕がブルースが好きなことを伝えたときの
「俺もめっちゃ好きやでぇ!」
と話す有山さんの笑顔。

音楽って僕の中では超大雑把に分けて2種類ありまして。
自分を伸び伸びと表現するための音楽と仕事と割り切って生活のための売るための音楽。
どちらが良いという単純なものではありません。
(案外ブルースも後者が多いように感じる)

有山さんは完全に前者やなぁと思いました。
あの笑顔を見たら。


まとめるとやっぱり有山さんはブルースギターの凄い大阪のおっちゃんでした。
これからもそうあり続けて欲しい!

有山さんのお陰で更に深くブルースの底なし沼にはまってしまいました。
じきに窒息すると思います。

文章:菅原翔一
写真:MATSUMIさん