青がきこえる

ブルースの底なし沼へようこそ

大阪産の史上最高ラグタイムアルバムは放送禁止用語がいっぱい!上田正樹と有山淳司「ぼちぼちいこか」

 

ぼちぼちいこか+6tracks(紙ジャケット仕様)

ぼちぼちいこか+6tracks(紙ジャケット仕様)

 

 

大阪の枚方の大学に4年間通っていた。
大学に入学するまでは大阪に来たことがなかった。
テレビや漫画などのイメージで大阪っていったらやっぱり
「もうかりまっか?」
「ぼちぼちでんなー!」
みたいな挨拶なんやろうなぁと漠然と思っていた。
しかし、そのようなコテコテの大阪チックな挨拶をすることは在学中の4年間一度もなかった笑

大阪も広いのだ。
枚方は京都寄り。
コテコテなディープサウスな大阪にはちと遠い。

ディープサウスな大阪に行きたい人はこの盤をおすすめする。
上田正樹と有山淳司の「ぼちぼちいこか」。
上田正樹と有山淳司のデュオといった趣があるが実際はバックのメンバーはサウストゥサウス。
サウストゥサウス名義でもいいじゃん!と密かに思っている。

ブルースというと暗くて重たいシャッフルビートというイメージがするが・・・
このアルバムはピアノ音楽であるラグタイムを貴重としたブルースアルバムなので軽快なリズムを楽しめる。
この軽快な・・・ウキウキするようなラグのリズムが大阪という土地柄にとてもよくマッチしている。

北新地でボーナスを全部使ってしまおうかと息巻く若い貧乏サラリーマンに
ホステスが「ここはあんたら若いもんの来るとこやおまへんで」と面と向かって言う「あこがれの北新地」

給料をもらったらやりたいこと、欲しいことがたくさん。
でも先の生活のために貯金せざるを得ない。
あー!やっぱりお金はあったほうがいい!!
庶民のお金への本音が見える「みんなの願いはただひとつ」

お金を借りたり、貸したり、返してもらったり、ギャンブルで買ったり、負けたり。
あー今俺の借金いくら残ってるねん!的な「俺の借金全部でなんぼや」

などなどラグタイムを通して大阪の庶民が生き生きと描かれていく。
落語にも通じる、人間の弱いところ、駄目なところを肯定してくれるような雰囲気が心地よい。

そしてお金が欲しければ、色気も欲しいのが人間というやつでして・・・
上田正樹と有山淳司は下ネタも生き生きと描く笑
これは悪ノリに近いものを感じるw
トルコ人留学生がぶちぎれそうな「トルコ風呂」
・ラブホテルより更にいやらしい感じのする「連れ込みホテル」
・本アルバム曰く千日前に多いらしい「同伴喫茶」
などなど・・・
これは家族の前では聴けないなぁ・・・笑

そのような繋がりで綴る「とったらあかん」は間違いなく名曲だ。
爆笑すること間違いなし!
とったらあかんものはとったらあかん!触ったらあかんものは触ったらあかん!!

ただ、お笑い曲だけではなくマイナー調の曲も素晴らしい。
「雨の降る夜に」
「俺の家にが朝がない」
表には絶対に出さない苦しい庶民の胸中を垣間見るようだ。
みんなニコニコ笑っているように見えるけど、それぞれ何かを背負っている・・・

このアルバムは大阪のいいとこ、わるいとこ
大阪で暮らす人たちの喜怒哀楽をギュッと詰め込んだ1枚だ。

ビールを飲みながら楽しく聴こうよ。

文章:菅原翔一

「準備ができてから・・・」間に合いません。人生は〆切だ。鹿島茂「進みながら強くなる-欲望道徳論」

 

 

「今まで夢を語る人をたくさん見てきた。でも実際にやる人はほとんどいなかった。」
矢沢永吉マツダのテレビCMで言っていた言葉だ。
初めて見たときにチクッと心に痛みを感じた。
自分は夢を語るだけの人間だと薄々自分で自覚していたからだ。

世の中にはノウハウというものがある。
参考書、楽器の教則本、ビジネス書などは本という媒体を通してノウハウを売っている。
しかし、いくらノウハウを集めていても何の役にも立ちはしない。
動かなければいけない。
動かなければ意味がない。

今回紹介する鹿島茂の「進みながら強くなる-欲望道徳論」は見切り発車の大切さを説いている。
まず一番大事なのはスタートしてしまうこと。
準備をするのも大事だが準備に終わりはない。
いくらでも準備しようと思えばいくらでも時間をかけて準備ができる。
そしてあっという間に寿命がきてゲームオーバー。
そんな人生って嫌じゃないですか?

栄養補給(=準備)は進みながらやっていけばよい。
むしろ進みながらやっていくことで進んでいくうえで本当に必要なモノが見えてくる。

人生は〆切。
人生において本当にやりたいことはいくらでも先延ばしができる。
大体の人はそうする。
そして、何もせず死んでいく。

今すぐ、今すぐ〆切を設定しよう。
小さいことでも大丈夫だ。

僕は今、本気でライターを目指している。
そのため毎日どんなに疲れていても毎日400字以上の記事を投稿するように自分の中で〆切を設定している。
もちろんこれだけではまだまだだ。
少しずつハードルを上げていき夢を掴みとる。

フランス文学者ならでの視点が新鮮で一冊通して興味深く読めた。
「損をして得を取る」
「ドーダ論」
などユーモアも交えてあるので楽しく読めるはずだ。

若い人(特に何かやりたい人)は必ず読むべし!
薄っぺらい自己啓発本ではない。

文章:菅原翔一
写真:菅原翔一

 

 

 

海×音楽!ビーチで行われる音楽イベント「mid summer party」が超楽しそう!@福井県敦賀市

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8/12(土)に福井県敦賀市松原海水浴場海の家(Pine Beach)で音楽イベントが開催されます。
その名も「mid summer party」!
時間は13:00~20:00です。

ただの音楽イベントではない!!
ロケーションがもうね、最高なの。
ビーチのまんまえで開催!!
なんてお洒落なのだろうか・・・
当日はここは西海岸か!このバカタレが!!って叫びたい。

音楽をまったり聞くもよし、海で遊んだりお酒を飲んだりするもよし・・・。
各人が自由に楽しめる雰囲気です。
これで無料とか・・・w

しかも当日はマリンスポーツも楽しめるように計画中!(こちらは有料のようです)

僕も今回は敦賀を拠点に活動するフォーク青年濱野くん(アフロ)とユニットを組んで参加します。
選曲は当日のお楽しみです♪

小浜からも福井のブルースバンド「Barrel House Blues Band」が出演!
果たして海のブルーとブルースはマッチするのだろうか!
乞うご期待!(合わなさそう)

あと女性の方は極力水着でご参加をお願いしますと主催者の方が言っていました。

文章:菅原翔一

同じことをくりかえすくらいなら、死んでしまえ。岡本太郎「壁を破る言葉」がアツい。

 

壁を破る言葉

壁を破る言葉

 

 

岡本太郎が好きだ。
彼の生み出してきた芸術ももちろん好きだ。
しかしそれよりも好きなのは岡本太郎自身の生き方だ。
常に孤独、しかし一人で自分の運命に楯突く真っ直ぐな生き方。
彼の芸術はそんな彼の生き方をキャンバスにぶつけているようだ。

大学生のときに読んだ岡本太郎の「自分の中に毒を持て」は僕の座右の一冊。
人に本のおすすめを聞かれたときは必ずこの本を薦めている。
(いまだに実際に読んで僕に感想を言ってくれた人は一人もいません)

本日、紹介する「壁を破る言葉」は岡本太郎の人生の壁にぶちあたっている全ての人のための名言集。
文字数は名言集だから非常に少ない。
普段、本を読まない人でも小一時間以内で必ず読めるはずだ。

必ず、必ずあなたの魂を揺さぶる一文と出会えるはずだ。
悩んだときに、適当にページを開いて欲しい。
もう一度、立ち向かうための勇気をもらえるはずだ。

ひとが「あらいいわねえ」なんて言うのは、「どうでもいいわね」と言ってるのと同じなんだよ。
今、パッと本を開くとこんな言葉がでてきた。
綺麗と美しいは正反対。
グッときた人は是非とも読んで欲しい。

文章:菅原翔一
写真:菅原翔一

見開き完結型のサクサク感!立川志の輔の「古典落語100席」で落語をライトに楽しもう!

 

古典落語100席―滑稽・人情・艶笑・怪談…… (PHP文庫)

古典落語100席―滑稽・人情・艶笑・怪談…… (PHP文庫)

 

 

落語が少しずつマイブームなってきている。
人間の心の闇をえぐりだして心にズドーンとくるような音楽、映画、本も好きだ。
でもやっぱりそれだけだと心が病んでしまうw
磁石のS極、N極。
電気の+と-。
相反する2つの性質、しかも2つともなければならない。。。

人間も同じ。
陰があれば陽も必要だ。
陽はやっぱり月並みな表現になるが「笑い」だと僕は思う。

笑いにもいろんな種類がある。
コメディ映画、ギャグ漫画、漫才などなど数え切れない。
一概にどれが良いとは言えないが僕の場合が落語が自分に合っていた。

まだまだ知らないことだらけだけど落語って面白いよ。
人間をよく見ている。
落語にでてくる登場人物たちはロクでもない人間が多い。
浮気をする、働かない、盗みもする、恩を仇にして返すetc
人間というのはとても弱い、悲しいほど弱い。
でもそれでもいい、それが人間なんだから。
落語の根底にあるのはそんな弱い人間達を笑いを通して肯定することにあると思う。

前置きが長くなったがこの「古典落語100席」は落語への入り口みたいな本だ。
これだけは絶対に押さえておきたいという囃を立川志の輔師匠が100個紹介している。
ジャズでいうスタンダード的な感じかな。

特筆すべきは見開きで1話完結の形をとっていること。
つまりたった2Pで1つの囃のストーリーが凝縮されている。
落語は囃によって非常に長いのでこのスピード感は私のような初心者にとっては非常に有り難い。

また内容も的を射ていて実に分かりやすい。
解説に現代社会のエッセンスが入っているので落語の世界を身近に味わえるのも良い。

ライトに落語を味わえるので通勤、通学のお供にどうだろうか。
ちなみに僕の好きな囃はこんにゃく問答!

文章:菅原翔一

小浜の古本屋「よつや書房」さんがガンプラを売り出したよ!

先日、紹介させて頂いた小浜の古本屋「よつや書房」。
良い本との出会いを求めてちょくちょく通っています。
店主の坂本さんのホスピタリティ精神が本当に素晴らしい。。。

さて、今日もよつや書房へ遊びに行きました。
ん、なんかあるな。。。

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ガ、ガンプラだ!!!

しかもお安い!
接着剤で組み立てるチョイ古の製品ですが逆にディープなマニアの方にはたまらないのではないでしょうか。

「本より断然売れ行きがいいんですよ・・・」
そう語る坂本さん。
これはリアルブルースだ。
(もう仕入れた量の半分は売れたそうです)

ディープなマニアな人はもちろん、もう戻れない小学生時代に帰りたいあなたもよつや書房に走れ!
すぐ売り切れるよ、たぶん。
で、本も買ってね。

ちなみに僕はガンダムは接着剤不要で組めるタイプのガンプラしか作ったことがないw
平成世代なのでw

写真:菅原翔一
文章:菅原翔一

正しいことを言えば村八分になるのがよく分かる映画「カジュアリティーズ」

 

 1989年公開の米映画カジュアリティーズを観た。

ベトナム戦争時における米軍の戦争犯罪を描いた映画。

暗く重たく鑑賞後は間違いなく陰鬱な気持ちになれるので金曜日の夜には観ないことをオススメする。

 

少女を誘拐し、レイプし、交戦中に邪魔になり殺害という非常にショッキングな内容であるが。。。

もっとショッキングだったのが少女の誘拐に反対し、逃亡させようと試みた主人公が部隊から村八分にあうこと。

お前はゲイか!男じゃない!と罵声を浴びさせられる。

 

(コミュニティに対して都合の悪い)正しいことを言えばすぐ村八分というのは日本でもアメリカでもどこでも同じようだ。

 

そしてその村八分を恐れて自分は正しいことをしたいのに仲間に同調し、戦争犯罪に加わる人間も描かれている。

これには良い悪いという単純な問題ではなく、人間が心の中に持っている深い悲しみを感じた。

人間って弱い、悲しいほど弱い。

しかし、その弱さが悪いことかと問われれば、、、?

人間って悲しいね。

 

文章:菅原翔一