青がきこえる

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見開き完結型のサクサク感!立川志の輔の「古典落語100席」で落語をライトに楽しもう!

 

古典落語100席―滑稽・人情・艶笑・怪談…… (PHP文庫)

古典落語100席―滑稽・人情・艶笑・怪談…… (PHP文庫)

 

 

落語が少しずつマイブームなってきている。
人間の心の闇をえぐりだして心にズドーンとくるような音楽、映画、本も好きだ。
でもやっぱりそれだけだと心が病んでしまうw
磁石のS極、N極。
電気の+と-。
相反する2つの性質、しかも2つともなければならない。。。

人間も同じ。
陰があれば陽も必要だ。
陽はやっぱり月並みな表現になるが「笑い」だと僕は思う。

笑いにもいろんな種類がある。
コメディ映画、ギャグ漫画、漫才などなど数え切れない。
一概にどれが良いとは言えないが僕の場合が落語が自分に合っていた。

まだまだ知らないことだらけだけど落語って面白いよ。
人間をよく見ている。
落語にでてくる登場人物たちはロクでもない人間が多い。
浮気をする、働かない、盗みもする、恩を仇にして返すetc
人間というのはとても弱い、悲しいほど弱い。
でもそれでもいい、それが人間なんだから。
落語の根底にあるのはそんな弱い人間達を笑いを通して肯定することにあると思う。

前置きが長くなったがこの「古典落語100席」は落語への入り口みたいな本だ。
これだけは絶対に押さえておきたいという囃を立川志の輔師匠が100個紹介している。
ジャズでいうスタンダード的な感じかな。

特筆すべきは見開きで1話完結の形をとっていること。
つまりたった2Pで1つの囃のストーリーが凝縮されている。
落語は囃によって非常に長いのでこのスピード感は私のような初心者にとっては非常に有り難い。

また内容も的を射ていて実に分かりやすい。
解説に現代社会のエッセンスが入っているので落語の世界を身近に味わえるのも良い。

ライトに落語を味わえるので通勤、通学のお供にどうだろうか。
ちなみに僕の好きな囃はこんにゃく問答!

文章:菅原翔一