青がきこえる

ブルースの底なし沼へようこそ

サムが最期に遺した魔法が息づいているアルバム Magic Sam「BLACK MAGIC」

当ブログでも取り上げたがマジックサムはライヴ盤で語られることが多いような気がする。

理由は単純明快であのライヴ盤が良すぎる。

針を落とせばブルースマンとして観客の前でエネルギッシュに叫ぶマジックサムが瞼に浮かぶ。

 

ではスタジオ盤は・・・??

めちゃくちゃいいよ。

 

スタジオ盤で聴けるマジックサムは「音楽家」としてのマジックサムだ。

 

特に僕が好きなのはBLACK MAGIC。

 

Black Magic

Black Magic

 

 

1968年にデルマークよりリリースされた。

このアルバムが出された翌年、マジックサムは死ぬ。

 

しかし死の直前とは到底思えないマジックサムの瑞々しいボーカルとギターが鳴り響く。

 

全体を通してサックスが前に出たサウンドでギターは少し引っ込み気味。

これが何とも聴きやすい。

「音楽家」としてのマジックサムの優れた一面が垣間見れる。

 

全体を通して実にポップで聴きやすいブルースなのだが。。。

ふとしたところでマジックサムの黒い魔法が見え隠れする。

その魔法はブルースに生き、ブルースに死んだマジックサムのブルースへの熱情そのものだ。

 

軽いけど軽くない、そんな不思議なアルバム。